バイクのユーザー車検方法

バイクのユーザー車検方法です。初めてチャレンジしてみようと考えている方は参考にしてみてください。

 

ユーザー車検する狙いはやっぱり「お金の節約」
ある程度の整備が自分でもできるのであれば、ぜひやってみた方がいいです。
すごく簡単なので。

 

車検前にある程度のバイクの整備をしておかなくてはいけませんが、日常点検なみの整備や知識があれば、だれでも簡単にできるものなので車検用に整備するといっても難しく考える必要はありません。

 

エンジンオイルは規定値まで入っているか、冷却水はサブタンクに規定値まで入っているか、タイヤの溝は残っているかなど基本的な点検項目ができればOKです。

 

バイクをコテコテにカスタム、改造している場合は、やっぱりそのままで車検に臨むと検査でアウトになることもありますので、できればノーマルに戻した方がいいです。
とはいうものの、車検上の検査員もノーマルがどういった状態だったのかはわかっていないので、ノーマルっぽい状態にしておけばいいと思います。

 

最低限守らなくてはいけないのは、

・保安部品は正常に機能しているか?
・保安部品の視認性はいいのか?
・車体寸法は車検証に記載してある通りか?
・排気音は規定内か?(近接音量94dB以下)
・排気ガス規制対象車は、基準をクリアしているか?

など基本的なことが守られていれば検査に通ります。

 

実際、僕もバイクを20年ほど所有していまして、いままですべてユーザー車検で通しており初めてユーザー車検を受けたときもとても簡単にできてしまった覚えがあります。
とはいえ、何回も車検を受けていると、いろいろと失敗したことだってありましたので、検査時に気を付けておかなくてはいけない点などを交えながら、バイクのユーザー車検のやり方をお伝えできればと思います。

 

初心者でも簡単にできるバイクのユーザー車検

バイクのユーザー車検の流れ

1.バイクを整備する。

2.車検予約する

3.予約した日に車検を受ける

ユーザー車検の流れはこんな感じです。

 

それぞれ詳しく見ていきます。

1.バイクを車検用に整備する。

バイクを車検用に整備するということはノーマルに近い状態にして、検査に合格するようにバイクを整備することです。
普段からバイクの整備を常に行っている方は問題ないかもしれませんが、バイクに乗るだけでほとんど整備なんてやったことがないという方は、この機会にぜひ整備と車検にチャレンジしてみてください。

 

バイクを車検用に整備すると行っても、自分でできる整備とできない整備があります。

 

自分でできる整備というのは日常的な点検程度の整備ですが、できない項目というのはヘッドライトの光軸合わせと、考量チェック、スピードメーターの補正などです。

 

これらの調整は専用の器械がないとできませんので、車検場の近くのテスター場で整備してもらいます。
点検手数料は1000円(税抜)程度です。
場所によっては2000円(税抜)取るところもあります。

 

自分でバイクを車検用に整備する。

 

エンジンオイル交換

 

エンジンオイルはおおよそ3000q走行毎、または2年ごとに交換しなくてはいけませんので、新品のオイルに交換します。
必ずバイク用のエンジンオイルを使います。
ホームセンターで安く手に入ります。

 

 

エアクリーナーの掃除

 


エアクリーナーに埃がたまっているとエンジンの吹き上がりが悪くなってきます。
エンジン始動にも影響しますので掃除、もしくは新品に交換するといいです。
車検時はエンジン始動もチェックされます。
一発でエンジンがかかるかどうかも検査対象なのでエアクリーナーは必ず掃除します。

 

 

プラグの掃除または交換

 


できればでいいのでプラグも掃除してあげるといいです。もっと言うなら新品に交換するとなおいいです。
というのも、これもエンジン始動に大きく影響しますから。プラグを掃除しておくだけで、混合気の燃焼効率も上がりますから、エンジンのかかりがよくなるのはもちろん、パワーが増したり燃費向上につながります。

 

 

冷却水の補充

 


サブタンクに冷却水が規定値までなければ補充します。

 

 

タイヤ交換

 


車検時にバイクのタイヤ溝の残りは0.8o以上ないといけません。
タイヤ溝の残りの深さを計測する箇所というのは、どの部分でも計ってもいいかというと、そうではありません。
タイヤの溝の数か所に他の溝よりも浅くした部分があるのですが、そこで計測します。
そういった部分をスリップゲージまたはスリップインディケータと呼んでいます。
スリップゲージよりもほかの溝がまだまだあるからといってそのまま使い続けてはいけません。
スリップ―ジが出ていることは、そのタイヤは通常の性能を保てない状態なので早急に交換する必要があります。

 

 

チェーンの張り

 

バイクを乗り続けていると、わずかながらチェーンも伸びてきます。
遊びが大きいようでしたら張っておきます。
オンロード車で20o〜30o
オフロード車で30o〜40o
位です。
バイクのユーザー車検方法

 

 

スプロケットの摩耗

 


スプロケットの歯がすり減っているようでしたら交換します。
ノーマルのスプロケットならまずすり減るようなことはないと思います。
スプロケットをアルミに交換している場合は注意してください。結構すり減っていると思いますから。

 

 

ブレーキパッドの交換

 

ブレーキパッドも点検します。
ブレーキの整備点検は下手すれば命にかかわる重要な部分なので、しっかりと点検整備します。
バイクのブレーキパッドには溝が切ってあるので、その溝が無くなる前に交換します。
※やり方がわからなければ、ブレーキだけはバイク屋で整備してもらいましょう。

 

 

保安部品の点検

 

保安部品と抽象的な表現をしましたが、具体的にはヘッドライト、ウインカー、テールランプなどの電球が切れていないか、リフレクター(後方から視認をよくする反射板)が付いているか、スクリーンのエッジ処理がなされているかを点検します。

 

 

 

 

ボルト、ナットのゆるみ

 

意外と見落としがちなのがこれ。
例えば、ナットがゆるんで走行中にステップが取れたなんてことにならないよう、各ナット類は締め増しします。
車検の点検でもバイクのボルトやナットのゆるみがないかを検査員が点検します。
その点検方法というのが驚きで、なんとハンマーを使って調べます。
初めて車検を受けたとき、検査員がおもむろに自分のバイクをハンマーで叩き出すので、
「おいおい、何してくれるんじゃ」と食って掛かりましたが、これも点検上必要な項目なんだとか。
確かにナット類のゆるみは重要なことですが、何もハンマーでたたかなくても。。。
他に点検方法ないのか?
なんていつも思います。

 

 

カウル、レンズ類の割れ

 


ヘッドライト、ウインカーなどのレンズに割れがある場合は交換してください。
カウルの割れは程度にもよりますが、目立つようでしたらリペアするなどして目立たないよう固定します。
まちがってもガムテープなどで補修した程度では検査に不合格になることもあります。

 

 

ホーン

 

普段バイクでホーンを使う機会はあまりないと思います。ですがホーンが鳴らないと車検に合格しません。

 

 

サイレンサー

 

社外品ならばノーマルに交換します。
排ガス規制の対象外なら音量だけなので、社外品でも静かなものなら大丈夫です。
車幅を著しくはみ出すものはダメです。

 

 

テスター場で車検用にバイクを整備する。

 

光軸合わせ

 

ヘッドライトの光の軸を合わせます。
光がまっすぐ照らしているか、適度な距離を照らしているのかを調整します。
これは専用の機械にかけないと自分ではできません。
過去に一度、知り合いが務めている車屋でバイクの光軸を合わせて車検に臨んだことがあります。
結果、不合格でした。
車検上まで行くときにぶれてしまったのか、車用の機械だったのでダメだったのかわかりませんが、とにかく車検に通りませんでした。
慌てて近くのテスター場で調整して再検査し、合格できましたが、やはりテスター場で整備した方が確実だということがわかりました。

 

 

光量チェック

 

光の量をチェックします。
年式の古いバイクだとこの「光量不足」で車検に通らない方も多いです。
かくいう僕もこれに毎回悩まされていました。
市販の青色バルブなどは明るそうに見えますが、実は光量は大したことありません。
むしろノーマルの標準バルブのほうが光量は増します。
市販でヘッドライトブースターなるリレーキットも販売されていますが、車検だけのために数千円だすのはどうかとも思いますので、このようなときは、バッテリー直結がいいです。
プラス端子をハイビーム側にしてマイナス端子をアース側につけます。

 


バッテリー直結なので点きっぱなしになりますが、途中でスイッチをはさむとオン、オフができます。
あと、バッテリーは新品に交換するとなおいいです。
あとはヘッドライトのレンズの曇りなどを取り除いておきます。
バッテリー直結が嫌な場合は⇒デイトナ(DAYTONA) ヘッドライトリレーキット(H7 HI/LO) 72837
光量が足らないからと言って、当日にテスター場で図のようなバッテリー直結作業なんてできませんから、はじめから直結加工しておいたほうが良いかもしれませんよ。

 

 

スピードメーター調整

 

実スピードがメーターとあっているかどうかを計測します。
テスター場で、左足元にあるフットスイッチを踏んだ状態にするとタイヤの下のローラーが回転し始めますから、メーター読み40q/hになったらフットスイッチを離して実速度とあっているかを調べます。
多少の誤差は検査範囲内です。
メーターケーブルが切れていなければ、まず問題はないと思います。
ちなみに余裕があればケーブルの予備を用意しておくと、いざという時に慌てなくてすみます。

 

 

ブレーキの利き

 

フロント、リア、個別にブレーキの利きをチェックします。
スピードメーターと同じようにテスター場では、バイクのタイヤ下のローラーを回転させてくれますから、指示が出ましたらブレーキをかけます。
しっかりと制動するかどうかを点検してくれます。

 

テスター場で調整してもらうのは車検当日でOKです。テスター場での検査所要時間は概ね10分程です。

 

以上が車検を受けるための点検整備項目です。
次は車検予約をしなくてはいけませんのでその予約方法についてです。

2.車検予約する。

ユーザー車検をするために運輸局に予約を入れなければいけません。
予約は国土交通省のウェブサイトで申込できます。
予約するにはコチラ

 

初めて予約するには「新規アカウント登録」からIDを取得してください。
今回はIDを新規登録した状態から説明していきます。

 

 

まずは「ログイン」をクリック。

 

 

取得したIDとパスワードを入力し「ログイン」をクリック。

 

 

ログインしたら「車検の予約」をクリックします。

 

 

車検を受ける運輸支局を選択し、「継続検査」を選択。
車検を受ける車種を「二輪車」にして「次へ」をクリック。

 

 

すると車検を受ける日付を選択できるようになります。
Xは予約が埋まっている状態。それ以外の所で予約ができます。
天気予報を見ながら、晴れそうな日を予約すると良いでしょう。

 

 

予約情報入力画面で【受験者情報】を入力していきます。
記入し終わったら最後に「確認」をクリック。

 

 

予約情報の確認画面です。
内容に間違いがなければ「予約」をクリック。

 

 

これで予約ができました。
予約番号を必ず控えておきます。
登録してあるメールアドレスにも予約情報が届いていますので確認します。
もし届いていなければメニューから「予約の確認・変更・取消」から予約内容を確認しておきます。

 

これで予約が完了しました。
後は当日ユーザー車検を受けます。

 

自賠責保険の継続について

自賠責保険が車検の有効期限までになっている場合は、事前に継続加入しておくと良いです。
当日、運輸支局内でも自賠責保険を加入することはできますが、テスター場での光軸合わせや書類の作成などに時間がかかり、意外と余裕がありません。
なので、事前にできることは済ませておいたほうが気持ち的にも余裕が生まれ車検もスムーズにできますから近くのバイク屋で車検の前日までに加入しておくといいです。

 

 

3.予約した日に車検を受ける

バイクのユーザー車検を受ける方法です。
「運輸支局に行ってすぐ車検」というわけではなく、テスター場での検査や書類の記入など、検査に入る前にやる事がいろいろありますので時間に余裕を持って出かけると良いです。
少なくとも1時間前には現地入りしましょう。

 

まずは持ち物をチェックします。
バイクのユーザー車検に必要な持ち物

・車検証
・自賠責保険証(車検日まで保険証と、それ以降の保険証)
・納税証明書

 

 

あとは何かトラブった時のための工具とウインカーやヘッドランプ、テールランプなどの予備電球を持って行くと良いです。

 

車検当日の流れ

バイクのユーザー車検をするときの流れになります。

予約したラウンド(時間帯)の1時間位前までに運輸支局に着くよう時間にゆとりをもって出かける。

運輸支局の近くのテスター場に行く。
※事前にテスター場の場所を確認しておく。


そこでバイクのヘッドライトの光軸合わせ、光量チェック、スピードメーターチエック、ブレーキチェックをします。
※手数料が1,000円〜2,000円ほど必要です。
光量不足で引っかかる事がよくあります。
エンジンを回しても光量が足らない場合はどうすることもできませんので、事前に対策をしておきます。
光量不足対策はコチラ

運輸支局の駐車場に着いたら、現在の走行距離をメモしておきます。
※用紙に記入する欄があります。


運輸支局の建物内に入り、ユーザー車検窓口に行きます。


車検予約番号を伝えます。
窓口でユーザー車検の受験方法を説明してくれますからよく聞きます。
※わからないことはここで聞いてください。

書類販売窓口で書類を購入します。
※「バイクのユーザー車検に必要な用紙をください」と言えば一式そろえてくれます。


書類販売窓口の隣で重量税の印紙を購入し、用紙に貼ってもらいます。


記入台にそれぞれの書類の記載方法が置いてあるので、それを見ながら記入します。
※バイクの点検記録簿がない場合は、販売窓口で購入できますから記録簿も記載します。
※鉛筆とボールペンは常備してあります。


記入が終わったらユーザー車検の窓口まで持って行き書類をチェックしてもらいます。

記入漏れがあれば指摘がありますから追記または修正します。

不備がなければその書類を持って車両の検査場に行きます。
※バイク用のラインに入ります。(トラックなどと同じレーンの場合があります。)

ラインに入る前に検査員がバイクの検査をします。
※車体番号とエンジンの型式確認、ヘッドライト、ウインカー、テールライト、ホーン、エンジン始動チェック、車幅、車高の計測、ボルトの緩み、目視確認などをします。

ラインに入る前に入り口付近に操作パネルがありますから、そこで1灯式か2灯式かを入力します。

ラインに入ります。


まずは排気ガスのチェック
※排気ガス規制対象車の場合。

スピードメーターのチェック。
※ここから音声ガイドの指示に従い検査を進めます。

前後ブレーキチェック。

光軸、光量チェック。

二輪テスタ記録器にOCR検査用紙を挿入し検査結果を記録します。
※不合格だった場合は修正し、もう一度検査し直します。
(検査時間内であれば何度でも検査できます。)

無事合格でしたらライン出口付近に総合判定窓口がありますので、そちらに書類を提出します。
※その場でチェックしてもらい、書類を返却してもらいます。


返してもらった書類をもって、先ほどの建物内に戻り「継続検査、有効期間更新」窓口で書類を提出。


新しい車検証とナンバプレートに貼るシールをもらう。


車検終了。

 

実際、ユーザー車検を経験した方なら分かるかもしれませんが、新しい車検証をもらった時点で緊張が一気に解け、脱力感と同時にものすごい達成感を味わえます。←これ、僕的には快感です♪

 

ということで、ざっくりですがバイクのユーザー車検の流れを書いてみました。

 

バイクのユーザー車検で一番気になるのはラインに入ってからの「動き」だと思います。
実際に僕がバイクをラインに入って車検を受けた時の様子を動画に収めましたのでもし良かったら参考にしてみてください。
※メガネ型のカメラで撮った動画です。画面が揺れますので気持ち悪くなるかもしれません(^^;)

 

 

車検にかかった費用

ユーザー車検にかかった費用です。

・自賠責保険24ヶ月:13,640円
・テスター場での検査費用:1,080円
・検査登録印紙:400円
・審査証紙:1,300円
・OCRシート用紙:25円
・定期点検記録簿(二輪用):105円
・重量税:5,000円

 

 合計21,550円です。

 

これにオイル交換した時のオイル代、タイヤが減っていればタイヤ代などの費用がかかってくる計算になります。

 

このようにユーザー車検だと、結構安く車検を通すことができちゃいます。
もし良かったらあなたもチャレンジしてみてはどうでしょうか?

 

 

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